日本では「お化粧は女性のビジネスマナーの一つ、オフィスではナチュラルメイクが良く、ノーメイクでも派手でもNG」
という観念があると思いますが、「スウェーデン女性にとってのメイク」という点を考察してみました。
スウェーデンの女性を見ると、日常的にメイクをしない人も多くいます。オフィスでも口紅も付けず「すっぴん」の女性が多く、もちろん全員ではありませんが少なくとも過半数を占めます。息子が通う幼稚園の女性の先生方も、皆さんいつもノーメイクです。つまりメイクはビジネスマナーという観念は全くないようです。
普段メイクをしないからといって、スウェーデン人女性がお洒落に興味がない、というわけではありません。服装も日本人から見たら派手と思うようなものでも、全体のバランスよく上手に着こなしています。
スウェーデン人にとってのメイクとは、アクセサリーをつけたり、タトゥーを入れたりというのと同様に、あくまでファッションの一部として捕らえられているような気がします。
皆様仕事中ですが、口紅も付けず「すっぴん」です。(セキュリティー上、顔を隠させていただきます)
電車に乗って女性を観察してみると、「すっぴん」が3分の2、といったところですが、週末はお化粧をしている人の割合が増え、比率がちょうど逆転するようです。
日常の通勤や通学時はノーメイクでも、パーティーの時などは思う存分に派手にメイクするスウェーデン人が多いようです。つまり、「ナチュラルメイク」という観念がないのですね。
メイクアップで最も重点となるのは、口紅よりも目元のようで、口紅は付けずにマスカラだけしている女性、眉だけかいている女性も多く見かけます。
スウェーデンにはアラブ系の移民も多く、彼女らの多くは頭から布で覆ったチャドルをかぶっています。イスラム圏の独自の文化を持つ彼女らには見知らぬ男性の前で色気を見せない慣習があるので、お化粧をしていない人がほとんどです(してもベージュの口紅などで赤みを出さない感じです)
「スウェーデン在住の日本人は、表現しがたいが何となく外見の共通点がある」と以前から思っていましたが、良く言えば素朴なのでしょうが、スウェーデン人の影響を受けてかノーメイク化していることに気づきました。
髪型もパーマやカラーをせずに(スウェーデンでは美容料金が高いこともありますが)手つかずの自然のままで生活するスウェーデン人の習性がうつってきているようです。
色の白いスウェーデン人は、素肌のきめも細かく、ビューラーを使わなくても遺伝子的にまつげが長くカールしており、唇もきれいなピンクの人が多いので、メイクはあくまでファッションとして考える程度で通用するのかもしれませんが、同じことを日本人がすると、どうも華やかさがなくなるような気がしないのでもありません。
また緯度が高いので紫外線が強いこともあり、日光浴を好むスウェーデン人の影響を受けてか、(日焼けを好むスウェーデン人はファッションとしてブロンド系のパウダーをつける人も多くいます。)日焼けした肌で「すっぴん」でいる在スウェーデン日本人が多いことも一理あるように思います。
私個人的にはそのうちの一人にならないように心掛け、UV防止対策を怠らずに身だしなみとしてメイクをしたいタイプですが、この考え方は人それぞれです。
メイクはオフィスマナーとして縛られることもなく、あくまでファッションの一部で個人の自由というのがスウェーデンでの一般論のようです。
日常的にメイクする女性は、ティーンエイジャーまたは60代といった比較的時間に余裕のある年齢層、また普段から高価な服を着ているような裕福層に多く見られます。日本のように学校に制服もなく、服装やメイクに関する校則も存在しないので、興味があればするといった感じです。そのためか日本で中学生を中心に人気の色つきリップ(現在はメイクも低年齢化しているので状況が違うのかもしれませんが)はスウェーデンで見かけたことがありません。しかしスウェーデンではノーメイクの大人が多いこともあり、少女がメイクをすることで背伸びして大人になった気分になれることもないようです。華美なメイクやネイルアートをほどこした女性からは、大人っぽさよりもむしろ若者っぽさすら感じさせられます。
レポーター「山本 グィスラソン 由佳」の最近の記事
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