ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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身近な肉屋さんで販売されているカルネ・デ・ソル

身近な肉屋さんで販売されているカルネ・デ・ソル

 ブラジルには「カルネ・デ・ソルCARNE DE SOL」と呼ばれる肉があります。直訳すると「太陽の肉」になります。
 カルネ・デ・ソルは熱帯に近いブラジル東北部を中心によく食べられてきた、肉の種類の一つです。簡単に言えば塩水につけて干した牛肉ともいえる食材で、保存食材の一品です。
 ブラジル東北部の乾燥地帯などでは食料が不足することがあったり、冷蔵庫のない時代には生肉はすぐに腐ってしまうということで、このようなカルネ・デ・ソルや塩漬けにしたカルネ・セッカという保存できる肉が、貴重な食材とされてきたようです。


身近な肉屋さんで吊るされているカルネ・デ・ソル

身近な肉屋さんで吊るされているカルネ・デ・ソル

 サンパウロ市にはブラジル各地や世界各国から移り住んできた人や、その子どもたちが暮らしています。
 カルネ・デ・ソルは普通、ヨーロッパ系や日本移民(及びその子孫)などの家庭の食卓にわざわざ上るということは少ないように思います。
 それでもどこにでもある肉屋さんには、たいていカルネ・デ・ソルが販売されています。
 先日も肉屋さんでカルネ・デ・ソルを注文するご夫妻がいました。ブラジル東北部出身のご夫妻ということで、どのように食べるのかと聞いたところ、
「肉を切ってフライにするとものすごく美味しい!」
と絶賛されていました。


サンパウロ市内のブラジル東北部専門の食材店で吊るされているカルネ・デ・ソル

サンパウロ市内のブラジル東北部専門の食材店で吊るされているカルネ・デ・ソル

 ブラジル東北部の州の一つであるリオグランデドノルチ州に暮らす人の話では、現地では身近な飲食店に行くと必ずカルネ・デ・ソルが肉料理のメニューに入っているということです。
 サンパウロ市でもブラジル東北部のレストランやブラジル東北部出身の方が多く集まる地域に行くと、カルネ・デ・ソルがメニューになっていますが、一般のレストランの肉料理メニューで見かけることは少ないです。

 カルネ・デ・ソルの料理は、主に一口大に切ったものを揚げておつまみ風にしたり、細かく気ってご飯に混ぜて炊いたり、クスクスという料理に混ぜたりします。ステーキのような形でたっぷりの油でフライしたような料理もあります。
 歯ごたえは固く、野生的な特有の匂いが残っていることもあります。
 カルネ・デ・ソルを食べて育った人にとっては、他にはない懐かしい文化高い香りのするブラジル料理の一つに違いありません。


カルネ・デ・ソルを揚げたおつまみ(お皿左)

カルネ・デ・ソルを揚げたおつまみ(お皿左)


ブラジル東北部のレストランで食べられるカルネ・デ・ソルのステーキ定食

ブラジル東北部のレストランで食べられるカルネ・デ・ソルのステーキ定食


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