オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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 セルビア共和国は、ヨーロッパの南西に位置するバルカン半島にあります。他のバルカン諸国が独立していく中で、セルビアはモンテネグロ共和国と合わせてユーゴスラビア連邦共和国と呼ばれていたこともあります。しかし、2006年にモンテネグロが独立し、ここで初めてセルビア共和国が誕生することとなり、現在に至っています。


具だくさんの、ベゴバ・チョルバ。

具だくさんの、ベゴバ・チョルバ。

 独立までの道のりが長かったためか、国民は己の文化を愛する傾向が強く、特に食文化を誇りにしています。伝統料理に欠かせない食材のひとつに、プレーン・ヨーグルトがあります。たとえば、セルビア人が自慢する一品に、『ベゴヴァ・チョルバ』と呼ばれる牛肉と鶏肉、オクラを入れたシチューがありますが、その濃厚な味を調えるために、プレーン・ヨーグルトが最後に加えられます。


『プロヤ』は、プレーン・ヨーグルトととうもろこしがメイン材料。

『プロヤ』は、プレーン・ヨーグルトととうもろこしがメイン材料。

 また、『プロヤ』という、とうもろこし粉を使って焼く一種のパンには、メイン材料のひとつとして、プレーン・ヨーグルトが欠かせません。味をまろやかに引き立てるだけではなく、ドライになりがちなパン生地の舌触りをスムースにするのがヨーグルトなのです。今でも農家では自家製ヨーグルトが作られるそうで、料理に加える際には、各家庭独自のアレンジがあるだそうです。


ベオグラードで最も人気がある、フローズンヨーグルトの店で。

ベオグラードで最も人気がある、フローズンヨーグルトの店で。

 一般のスーパーで販売されている商品化されたプレーン・ヨーグルトや、飲むタイプのヨーグルトは、酸味がまろやかなのが特徴です。また、カフェなどでは、この飲むタイプのヨーグルトを提供する店もあります。ここ10年の間に増えてきたのは、フローズン・ヨーグルトの専門店。

 おしゃれな容器に、バニラ風味やチョコレーと風味のフローズンヨーグルトを入れ、フルーツやナッツ、ソースなど数種類のトッピングをかけて食べます。こちらは観光客にも、地元民にも大人気。首都ベオグラードにあるフローズンヨーグルト店は、行列ができるほどの盛況ぶりです。


 セルビアの食文化は、歴史的背景からオスマン帝国の影響を受けており、トルコ料理を思わせる豊かな味わいが特徴でもあります。トルコ料理にも、ヨーグルトを使用したメニューがたくさんありますが、セルビアならではの味を醸し出す、中心的役割を果たしているもの、それがプレーン・ヨーグルトである、といっても決して過言ではないでしょう。


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