ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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白いタピオカを調理するブラジルの先住民クイクロ族の女性

白いタピオカを調理するブラジルの先住民クイクロ族の女性

 キャッサバ(ブラジル語ではマンジョッカ)は南米原産と言われています。イモ類の一種です。

 日本でもタピオカとして知られている粒々の食べ物はキャッサバから作られます。タピオカという言葉も南米のインディオの言葉に起源があるといわれます。

 ブラジルでタピオカと言われれば、粒々の食べ物ではなく、一般にキャッサバのデンプンを水と混ぜて、ざるでこしたきめの粗い粉をフライパンで焼いた食べ物がまずイメージされます。

 キャッサバはもちろん、タピオカはベイジューとかビジューなどと言う呼び方もある先住民の食文化です。


現代の町の暮らしの中で一般的なタピオカ。粉を焼いている上にはチーズとオレガノをのせている。

現代の町の暮らしの中で一般的なタピオカ。粉を焼いている上にはチーズとオレガノをのせている。

 タピオカは今日の街中や家庭でも食べられています。

 現代的な食べ方は、焼く時にハムやチーズ、バナナやコンデンスミルクなどをのせ、挟んでほおばるものです。サンドイッチ感覚です。

 町で現代のブラジル一般の暮らしをしていると、タピオカがインディオ(先住民)の食文化だったと言う実感はあまりわいてきません。

 しかし、インディオの集落の食生活をのぞいてみると、実際に今もタピオカを主食として、おかずに焼き魚や焼いた動物の肉類が食べられていることを知ります。集落ではたいてい薪で火を起こし、大きめの鍋で大人数がちぎり分けて食べられるように調理します。

 現代のブラジルの食生活は世界各国からの移民の影響も受けていますが、南米の先住民からも脈々と受け継がれてきたものがある事を再認識します。


トウモロコシの粉でタピオカ状の食べ物を作るブラジルの先住民グアラニ族の女性

トウモロコシの粉でタピオカ状の食べ物を作るブラジルの先住民グアラニ族の女性

 町の生活をしていると、ブラジルでも普通はインディオの生活に直に接する機会はありません。それでも、4月19日のインディオの日に合わせてサンパウロ近郊のあちこちで催されるインディオ文化を紹介する場に足を運べば、南米のインディオが受け継いできた食文化を垣間見る事ができます。

 ブラジル文化の源流を知りたければ、やはり今もブラジルに約200部族いると言われるインディオの集落やインディオの暮らしを積極的に見てみなければいけないなあと、ブラジルのグアラニ族やクイクロ族の食生活を垣間見て実感しました。


インディオの調理スタイルで焼きあがった大きなタピオカと焼き魚

インディオの調理スタイルで焼きあがった大きなタピオカと焼き魚


タピオカに挟んだ焼いた鶏の足

タピオカに挟んだ焼いた鶏の足


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