オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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オランダの一般中学校に勤務する教員の15%が、なんと、教職員免許を取得していないことが判明し、波紋を呼んでいます。これは、文部省が明らかにしたもので、世の親たちに『学校教育とは、なんぞや?』と疑問を投げかける形となりました。


勉強を教師に任せておいても大丈夫?

勉強を教師に任せておいても大丈夫?

文部省が行なった調査によると、教員資格を取得し、一般中学校に勤務している教師の割合は77%ですが、残りの23%は、教員資格を取得していないか、もしくは『取得するつもり』『半年以内に取得出来るかもしれない』といった中途半端な状態の”教師”たちだということです。


過去に行なわれた調査によると、教員資格を取得していない『教員予備軍』の人たちから授業を受けた生徒は、教員資格を取得している教員の指導を受けた生徒と比較すると、中学あるいは高校の卒業試験の結果が芳しくなかったそうです。この卒業試験の結果で、将来、どのような方向に進むのか、どんな職業が適しているのかを判断するため、非常に重要な試験なのですが・・・。


学校では、きちんとした人に指導してもらいたい、というのが、親の心情ではあるが・・・。

学校では、きちんとした人に指導してもらいたい、というのが、親の心情ではあるが・・・。

文部省も、世の親たちも、もちろんこの結果に眉をひそめています。今後、対策を練るのかと思いきや、現状では『一人ひとりに、資格取得を促すのは困難』なのだとか。というのは、教師は、ひとつの学校に『専属』しているわけではなく、各学校を掛け持ちしている人が多く(理由は、サラリーが安いためといわれています)、実際は本業を別に持ち、副業として教師をやっている人たちが、取得するための実務時間がない、と主張しているためです。


しかし、こうした事態を重く見た文部省では、2年後の2017年度は、教員資格を取得している者のみを就職させるよう、各学校へ通達を出す決定を下しました。今後の教育が、どのように変わっていくのでしょうか?オランダの教育(機関)は、日本のそれよりも進歩的、と、日本では言われているようですが、果たしてどうでしょうか?実際には、このように『基本的』な問題を解決しなければならない現状もあるのです。


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