ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ市内の庭先に育つジュルベーバの果実

サンパウロ市内の庭先に育つジュルベーバの果実

 2月、南半球は初秋。収穫の秋ともいうべくサンパウロの町中では、つぼみなのかフルーツなのかよく分からない、小梅のような大きさの丸い緑の果実を付けている植物を見かけることがあります。

 熱心にこの実を摘んでいる女性に出会い、何のフルーツかを尋ねると、「ジュルベーバ」という答えが返って来ました。


ジュルベーバの果実を摘み取る女性

ジュルベーバの果実を摘み取る女性

 ブラジルでは庶民の知恵とも言うべき様々な薬用植物が特に年配の世代では日常生活で利用されています。ジュルベーバもそんな植物の一つです。

 実を摘んでいた女性は自宅で酢漬けを作ってお米と一緒に食べるとのことでした。

 ジュルベーバの酢漬けは市販のものもありますが、どこでも販売されているというよりは、今も各家庭で作られているケースの方が多いように見えます。

 美味しいというよりは苦い味で、胃の調子を良くするということで伝統的に庶民の間では薬効を期待して親しまれてきました。

 そして、酢漬けと同じくらいポピュラーなのがブラジルを代表する蒸留酒カシャッサにジュルベーバをつけ込んだ飲料です。


ジュルベーバの果実を漬けたカシャッサ

ジュルベーバの果実を漬けたカシャッサ

 胃病に効果があるということなので薬膳酒としても飲め、酢漬けと同じく市販品というよりは、各家庭やバール(軽食店)の自家製の方がおなじみです。店頭に見かけなくても聞けばストックしているバールは珍しくありません。市販のお酒の中にも「ジュルベーバ」という名称が付いた商品があり、ジュルベーバのエキスが配合されています。

 どちらかと言えば女性よりは男性がグッと飲み干すエスピリット酒ですが、ジュルベーバはブラジル庶民に受け継がれてきた郷愁の味と言えそうです。


「ジュルベーバ」という名称が付いたお酒

「ジュルベーバ」という名称が付いたお酒


サンパウロ市内の庭先に育つジュルベーバの木

サンパウロ市内の庭先に育つジュルベーバの木


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