オランダ

オランダ:ハーレム

倉田 直子(くらた なおこ)

職業…ライター
居住都市…ハーレム(オランダ)

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 4月2日、オランダのArnhemという街で同性愛のカップルが複数の若者からなるグループに暴行を受けました。理由は「男同士で手をつないで歩いていたから」という理不尽なもの。この事件を被害者の一人がフェイスブックに投稿したところ、オランダ全土に情報が広がり国民にショックを与えました。

 以前別の記事にも書きましたが、オランダは世界で初めて同性婚を法的に認めた国でもあります。

 ※参照記事「オランダ政府がLGBT難民のための携帯アプリを配信開始」
http://ima-earth.com/contents/entry.php?id=201712704738

 そんなオランダに誇りを持っていた国民は、早速「反ヘイトクライム(憎悪犯罪)」アクションをスタートさせます。名付けて「allemannenhandinhand」(全ての男性が手をつなごう)というムーブメント。

 男性同士で手をつないで歩いていたら暴行されたという事実を踏まえ、同性愛者も異性愛者も、誰もが「男性同士が手をつないでいる写真」をインターネットに投稿し始めたのです。

 政界の反応も早く、翌日にはアッシャー副首相が同僚議員と手をつないで取材陣の前に登場しました。

 それにとどまらず各国のオランダ大使館や、白衣姿の医師や制服姿の警官、教会の宗教指導者、スポーツ選手もこのアクションに参加し、「反ホモフォビア」運動に連帯を示したのです。

 ツイッターやフェイスブックなどで「#allemannenhandinhand」というタグを検索すると、さまざまな画像が見られると思います。


 さらに私が感動したのが、住んでいる街の市役所の反応。事件の数日後に、市庁舎の上に「性の多様性」の象徴であるレインボーフラッグが掲揚されていたのです。これも、市役所なりの連帯の示し方だったのだと思います。

 暴行にあった男性カップルは本当に気の毒ですが、こうやって素早いアクションを起こせるオランダという国は本当にすごいと思います。これが一過性のブームで終わらないよう、多様性に寛大な国であり続けてほしいものです。





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