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「ラーメン和」２号店のシェフたちと長谷川洋二さん（左から4人目）
10年以上前からサンパウロで芽生えたラーメンブーム。ここ2、3年の間に勢いをさらに増し、ブラジル経済の不景気に逆流するかのように、ラーメン店が続々とオープンしています。昨年だけでも、12軒以上のラーメン店が出現したと地元紙でも報道されています。
この6月19日、新たにオープンしたのが、サンパウロの日本人なら知らない人はいないと言っても過言ではない「ラーメン和（かず）」２号店です。
6月18日は、1908年に公式の最初の日本人移民がブラジルに上陸した記念日。「日本移民が100周年を迎えた2008年6月に１号店もオープンしました。今回も日本から人や文化がブラジルに上陸した記念月に合わせてのオープンです」と新店舗で采配を振るのが長谷川洋二さん（33）＝ヤマト商事・外食部門取締役＝。
「ラーメン和」２号店の店頭。上方にはみそ樽の写真
「ラーメン和」はサンパウロのラーメン店のパイオニアの一軒です。麺や調味料といったラーメンのうまさを決定づける食材は全て日本からの輸入品が使用され、ブラジル在住の日本人の舌を満足させることで高い評価を得ています。
「特にみそにはこだわりがあります。通常のみそラーメンは信州みそ、それ以外に季節限定で北海道産のみそを使用した北海道みそラーメンや九州産麦みそ炙（あぶ）りのチャーシュー麺も人気メニューです」と長谷川さん。
ホタテ貝やコーンなど、“北海道のおいしい”が凝縮した北海道みそラーメン。サンパウロ市近郊のモジダスクルーゼス市在住で、サンパウロ市に来た時は必ず「ラーメン和」に寄っていくという帯畜大ＯＢでもある大浦格（いたる）さん（58）＝札幌生まれ＝は、「コーンの入った感じが、札幌ラーメンよりもより道東のラーメンに近い感じですね。いつもおいしくいただいています」と懐かしの十勝地方を思い出します。
日本語とポルトガル語で書かれた北海道みそラーメンと九州産麦みそあぶりのチャーシュー麺のメニュー
「１号店のオープン直後は、ブラジル在住の日本人のお客さんがほとんどで、3、4年たった頃から徐々にブラジル人のお客さんが増えました。日本のアニメの影響でラーメンに興味を持つようになった若者もいるんですよ」と幅広い視点から今日のラーメンブームを分析する長谷川さん。
１号店オープンの後、２年後に２号店をオープンする予定でしたが、東日本大震災では輸入食材がブラジルの税関で大量廃棄処分になるなど、ブラジルならではの大きな困難にぶつかり、それらを乗り越え、ようやく今月のオープンにたどり着けたということです。
「ラーメン和」のモットーは、「日本の誇（ほこり）ある ラーメン文化をブラジルに」。日本の誇りあるラーメン文化がブラジルのどこでも食べられる...そんな日が来るのは夢でもないと思えてくるような、昨今のサンパウロのラーメン店オープン模様です。
「ラーメン和」2号店の住所
Al Santos, 53, Cerqueira César - São Paulo
tel:55-11-3251-1836 営業時間：月～土の11ｈ-15ｈ、17ｈ30-22ｈ30
信州みそを使用した基本のみそラーメン
メニューの裏面に記された「ラーメン和」のモットー「日本の誇ある ラーメン文化をブラジルに」
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