オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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 オランダといえば「自由の国」と世界各国から称されるのは、今に始まったことではありません。なぜ自由なのかといえば、やはり麻薬や売春が半合法化されていることや、同性愛者同士の婚姻を世界で初めて認めたこと、そして安楽死が合法であることなど、世界に先駆け「法の自由化」が行われたことに起因しているのだと思います。


 この「自由」は今も健在です。教育の場にも、この自由な気風がそのまま反映されているといえるでしょう。例えば、就学年齢は基本的には5歳ですが、4歳から通学してもよく、少々頭がいい子であれば3歳でもOKという例もあります。校則が学校によって違うのも特徴でしょう。ある学校では、スマホ持参が許可されていても、別の学校では禁止、といった具合です。これも、自由な気風があるからこそ、といえるかもしれません。


小学校の教室内もまるでカフェのように自由な雰囲気?

小学校の教室内もまるでカフェのように自由な雰囲気?

 ところが、この「自由」ですが、学生たちにとっては怠け心を助長してしまうことは否めません。必ずやり遂げねばならない宿題があったとしても、”自由を持つ権利”を持ち出せば、「宿題は好きな時にやればいい」という具合にもなってしまうのです。


親はこのアプリで子どもの学習姿勢がチェックできる

親はこのアプリで子どもの学習姿勢がチェックできる

 これを避ける一策に、各教育機関が編み出した苦肉の策が、「学生用コントロール・アプリ」です。これは、子どもの学習姿勢や宿題の進め方、テストの結果、忘れ物や遅刻、ずる休みなど、子どもたちがどのように毎日を過ごしているか、すべてを親と学校がコントロールするためのアプリ。中学1年生から高校3年生になるまで、親と教師陣が一丸となって?子どもたちの学習姿勢をチェックするものなのです。


 例えば、始業ベルに2分遅れて登校すると、それがアプリを通じて「●月●日は、2分遅刻しました」と通知されます。宿題の進め方が遅くなっている場合は、「最近、何か家庭でありましたか? 宿題の進め方がスローなようです」と報告され、教師陣によってこと細かに親たちに報告されるというわけです。「自由の国」とばかりは言っていられないほど、子どもたちは学校と親にコントロールされている…といえなくもない、オランダの教育事情でした。


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