台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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会場の様子

会場の様子

 過去2年、台北市立中山女子高級中學(以下、中山女高)の学園祭の様子を紹介してきました。今年は、創立120周年の節目を迎えたことで、学校は1年前の学園祭終了時から、ホームページとfacebookのサイトを立ち上げるなど、入念に準備をしてきました。また、開催日を昨年の12月8日(金)、9日(土)と2日間に設定し、8日は学内向け、9日は対外向けという形を取りました。

 今回から、しばらく学園祭の様子を紹介します。今回は、外部の施設で行われていた写真展の様子です。


卒業生たちから提供された写真

卒業生たちから提供された写真

 写真展は、台北市内にある青少年發展處5階の藝文沙龍で昨年の11月21日~12月17日に行われました。

 私が行ったときは、人の出入りが少なく、向かいの会場を使っていた関係者が静かな空間を探して椅子に座って作業ができるくらいでしたが、貴重な写真が見られそうな雰囲気はありました。


日本統治時代の写真

日本統治時代の写真

 そこで見つけたのが、日本統治時代の写真。当時の在校生の方が提供したようで、面影が残る制服や校舎に感激してしまいました。この他、日本統治時代の台北市内の地図も展示されていました。


現在の学校の様子

現在の学校の様子

 忘れていけない現在の学校の様子。写真部の生徒、在校生か卒業生の父兄が撮影した学校、勉強やクラブ活動に励む生徒たちの生き生きとした姿がそこにありました。いわゆる「身内」でなければ見えない、分からないものがあることを改めて展示された写真を通して気付いた気がしました。


蔡英文総統の作品も

蔡英文総統の作品も

 写真展以外で目を引いたのは、蔡英文総統が2016年の卒業式で学校を訪れた際に寄贈したとみられる作品。日本統治時代の写真も含め、学校の歴史と伝統の深さ、優秀な卒業生を多数輩出してきた学校ならではのものに、改めて圧倒されました。

 会場では、写真部の生徒が交代で、場内管理をしていました。日本統治時代の写真を見ながら、その生徒と学校の歴史について話をしましたが、生徒から「あたしよりも学校のこと、よく知っているね…」と言われてしまいました。

 日本統治時代の学校は、4度台北市内を移転し、ようやくたどり着いた今の所でも、移転当時の生徒たちは、教師と力を合わせて学習環境を整えていきました。また、戦時中は無線部隊の駐屯地になり、生徒たちは別の所へ疎開せざるをえなかったそうです。

 写真展は、学校の苦難の歴史を未来に語り継ぐ上で、貴重な機会になったように思います。


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