オランダ領ボネール島 美しい島のヤギ・チーズ
2024.08.13 up
極彩色でトロピカルな色彩の、ボネール島の絵葉書
ボネール島はカリブ海に浮かぶ小島のひとつ、地理的にいうとベネズエラの北に位置する島です。オランダの自治体で、青く澄んだ海、白い砂浜、南国の自然、そして、現地の人びとのおもてなしなどなど、バカンス目的地としての魅力が満載の島であり、蘭領のため「カリブ海に浮かぶオランダ」なる異名を持つことでも知られています。
南国のリゾート地にふさわしい景観
この島を訪れる観光客の国籍は実にさまざまです。美しい自然と気候に魅せられ、ここを移住地と決めた欧州人も多くいます。ネットを活用して個人経営ビジネスを成功させている人の一人、オランダ人女性のアレッタ・ファン・ベーク氏も、ヤギ農家としてこの地でヤギのチーズ作りに専念している1人です。幼い頃から農場を経営してみたいと考えていた彼女は、できることなら、他に例がないほどシンプルで、かつユニークな農場を持ちたい!と思っていたそう。その夢は叶い、現在では風光明媚(めいび)なボネール島で、60頭のヤギを飼育しながら、世界一の味と評判のチーズを手づくりしています。
ヤギ農家のアレッタさんとヤギたち
ファン・ベーク氏はもともと、商業主義に流されがちな農業経営に疑問を持っており、この地でも、オーソドックスな昔ながらの手法を貫き通しているそうです。これは、家畜本位で自然に逆らわず、利益ばかりを追わない農業のやり方、ともいえるかもしれません。農場経営には、ボネール島観光局などからの、ある程度の後援が欠かせないそうですが、メインとなるのは、やはりファン・ベーク氏がすべて単独で行なう手づくりチーズの売上げ収入だといいます。
全て手作りのチーズ
手作りのゴート・チーズは、農場を訪問すれば作りたてのものを味わうことができ、やみつきになる美味しさ!と大好評。それだけ汗水流しているのだから、もっと儲かることを考えなさいよ!と忠告してくる他人のお節介を聞いている暇もないくらい、ファン・べーク氏は多忙だそうです。ファン・ベーク氏は、彼女のようにボネール島で農業を行ないたい人たちのために、住み込みで農業経営のハウツーを教えるワークショップも同時に行なっています。世界各国からやってくるバカンス客でさえ、この農場をひと目見て気に入り、「ファン・ベーク氏の元で修行したい!」と希望する人たちもいるそうです。
また、彼女所有のヤギを、世界中の人たちに養子として迎えてもらうキャンペーンも平行して行なっています。これは、農場のサイトに掲載されたヤギ数頭の写真の中から、1頭(または数頭)を選び、養子縁組をするもので、養子にしたヤギのスポンサーとなり、エサ代を農場へ寄付する仕組みです。この寄付金は、ヤギたちの飼育費みならず、ボネール島の自然保護団体へも贈呈されています。
背景にストーリー性を併せ持つ、ファン・ベーク氏の手作りチーズ。養子として登録したヤギのミルクから作られたチーズを送ってくれるサービスも検討中ということで、日本への輸出チャンスもあるかもしれません。世界一美味しい!と、各国のチーズ・ファンたちを唸らせたチーズの味とは、いかなるものなのでしょうか?まずは現地を訪れて、美しいボネール島の自然を満喫しながら、味見してみるものいい思い出になるでしょう。
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