メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

前の月へ

2024.10

次の月へ
S M T W T F S
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31   

メキシコのお葬式

2024.09.22 up

 メキシコに10数年暮らしていると、お葬式に呼ばれることも何度か出てきます。都市部に住む中流家庭の一般的なお葬式の流れをご紹介します。

 家族が亡くなると、葬祭場の場所を借りるか、家に戻って式をするかになります。葬祭場の場合、一晩御遺体を安置した部屋に家族が集い、そこに次々と弔問客が訪れます。

 家族ぐるみでのお付き合いや親しい間柄の場合は花屋さんで大きな籠(かご)に花を生けてもらい、誰からという名前を書いたリボンをつけてもらいます。日本円で3000円から4000円が相場といったところ。これを直接、葬祭場に持って行きます。

 メキシコはカトリックが90%以上占める国ですので、家族の中から年長者が先頭に立って、葬儀のための長い祈りを読み上げ家族がその章の区切りごとに神の名前を唱和し、ロザリオと呼ばれる数珠(じゅず)のようなものを一粒ずつ指でたどっていきます。

 翌日、教会に場所を移し、ミサを執り行います。本葬儀となるミサは約1時間。特に故人の経歴やお人柄を神父がお話になることはあまりなく、カトリックの死に対する教えのお話をされ、歌い、参列者が互いの平安を祈り、祝福を受け、終わります。この本葬儀では棺が前夜と同じ状態で置かれている場合も、またすでに火葬が済んだ骨つぼの状態で祭壇に上げられる場合もあり、日本のように「本葬儀の後に火葬場に向かう」という順序はあまり決まっていないようです。


お世話になった方へお花を用意しました

お世話になった方へお花を用意しました

 葬儀に何度か参列していますが、日本のように喪服で参列している人を見たことがありません。よほど経済的に上流階級でないと、喪服を持っている人は少ないのが実情です。家族親族、参列者もカジュアルな服装の人が多く、色も「赤はダメ」ということもありません。清潔であれば良い、程度の全く普段通りの服装で参列します。
 
 もっとも、お金持ちのお葬式は別世界で、女性陣はファッションショーさながらに着飾り、自分の持っている最上級の貴金属宝石を身につけ香水を振りまき、静かな戦いを繰り広げているそうです。


参列者は皆、カジュアルな服装

参列者は皆、カジュアルな服装

 また、日本のように「お香典」という習慣もありません。参列者がご遺族に贈り物をする習慣も、花以外にはありません。逆に、お通夜でもお葬式でも、日本のように参列者に何か飲食が用意されていることもありません。あってもコーヒーとクッキー程度のもの。メキシコでお葬式に参列する機会があるときにはご注意ください。




レポーター「龍崎 節子」の最近の記事

「メキシコ」の他の記事

  • 68 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives