ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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テレビCMの悪影響が懸念されたサンパウロ市内の幼稚園の保護者会の風景

テレビCMの悪影響が懸念されたサンパウロ市内の幼稚園の保護者会の風景

 日本よりも遅ればせながらという印象ですが、昨今のブラジルでも、テレビは一家に数台という時代が到来しています。

 先日の幼稚園の保護者会の話題の一つが、先生たちもテレビの影響を受けた子どもたちの行動にはお手上げ、というものでした。中でも指摘されたのは、テレビ番組そのもの以上に、コマーシャルの影響は絶大、という事でした。 

 例えば、サッカーW杯期間前後にブラジルでよく流れていたコマーシャルの一つが、ひ弱な子供がテレビの前でソファーに埋もれてテレビを見ていた最中、ココアを飲んだ瞬間、ソファーから飛び出してパワーアップするというものでした。

 幼稚園児たちはこのコマーシャルの影響を受けて、どんどんココアを飲めばいいという雰囲気が幼稚園でも生まれていたそうです。

 他にもノコギリを振り回すシーンがあったのを真似して、幼稚園でも危ないものを冗談で振り回すなど、先生たちも手におえないような事があったそうです。

 パッと見た印象では、ブラジルのコマーシャルは単純明快でダイレクト、全面的に商品のインパクトを打ち出す強烈さを感じさせます。日本の感覚だと「いかにも」という印象ですが、子どもたちへの影響も単純明快の方が強くなりそうです。 

 「今のサンパウロの子どもたちを取り巻く環境は大きく変化し、子どもたちの性質も少し前の時代とは大きく変化している」
と先生たちは言います。氾濫する情報から子どもたちをどう守るかというのは、ブラジルでも各家庭、各社会の解決すべき課題となっています。

 かつて、「ブラジルの人々の素朴さが魅力だ」という日本のブラジル愛好家は少なくありませんでした。少なくとも今のサンパウロでは、先進国と同様に、子どもたちが素朴でいにくい環境要因が増加しています。情報化社会、車社会、決して健康的ではない飽食など。それらに治安のよくない状況も加味されなければなりません。






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