台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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1月17日の台湾主要4紙の1面

1月17日の台湾主要4紙の1面

 既に日本でも大きく取り上げられていますが、台湾の総統選挙と立法委員(国会議員に相当)が行なわれ、民主進歩党の蔡英文(ツァイ・インウェン)候補が全投票数の56.12%にあたる689万4744票を集め、当選しました。また、立法委員の選挙では、民主進歩党が全113議席中68議席を獲得し、文字通りの“圧勝”でした。


支持者の前で、応援への感謝の言葉と落選のお詫びの言葉を述べる朱立倫候補

支持者の前で、応援への感謝の言葉と落選のお詫びの言葉を述べる朱立倫候補

 その一方、与党・国民党の朱立倫(ジュー・リールン)候補は全体の31.04%にあたる381万3365票と伸び悩み、落選しました。
 4年前の選挙時同様(詳しくは下記URL参照)、各候補の選挙対策本部を見てきましたが、私が国民党の方を訪れた際、既に上の写真の状態になっていて、総統選挙だけでなく、立法委員の選挙でも、64議席から35議席に減らす“惨敗”を喫したことから、一部の支持者から罵声を浴びせられていました。

http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201211524736
 


総統選挙の前夜集会で支持者の前に登壇した蔡英文候補

総統選挙の前夜集会で支持者の前に登壇した蔡英文候補

 蔡英文候補は、選挙前の世論調査でも終始優勢で、投票前から当選確実と言われていました。4年前、前夜集会の様子から、蔡候補の敗因を分析しましたが(下記URL参照)、その時の蔡候補とは別人でした。

http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=20121162747


前夜集会終了時の様子

前夜集会終了時の様子

 前夜集会では、力強い口調で自身と民主進歩党、そして党公認候補への投票を呼びかけただけでなく、「みなさんの声を施政に必ず反映させていきます!」と力強く話しました。4年前のように、まるで大学の授業を受けているかのような演説ではなく、しっかり“総統”の座を見据え、多くの人に呼びかけるような演説でした。


蔡英文候補の選挙対策本部前の様子

蔡英文候補の選挙対策本部前の様子

 当選確定後、共同記者会見を終え、支持者の前に現れ、あいさつを行なった蔡英文候補は、党派、民族を問わず、全台湾人の団結を呼びかけ、党員には「1に謙虚、2に謙虚、とにかく謙虚であれ」と遊説でつぶれた声を振りしぼりながら厳命しました。

 また、共同会見中、韓国のアイドルグループ“TWICE”の台湾人メンバーの周子瑜(16)が、韓国のテレビ番組で台湾の晴天白日旗を振ったことで、「台湾独立派」として批判を受け、所属事務所のYouTubeのサイトで謝罪を行なった一件について触れましたが(内容は下記URLをご参照ください)、この時の蔡候補は周子瑜を慮り、我が子の痛みのように受け止め、悲しみと怒気と、こうした政治とは無縁だったはずの16歳の少女をしっかり護れなかった無念の気持ちを含んだかのような声で、“次期総統”としての責任について語った姿が印象的でした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160118-00000562-san-cn

 その姿は、「未来の台湾を、自分が牽引していくんだ」という強い使命感と気迫に満ちていました。

 前回の選挙の落選から4年。
 その後、着実にリーダーとしての歩みを進め、成長していった蔡英文・新総統の今後には、日本だけでなく、世界からも注目を集めそうです。


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