修学旅行の高校生と台湾の高校生との国際交流
2016.01.06 up
日本語のお迎え
12月に入ると、台北では制服姿の日本の高校生の姿を見かけることが多くなります。話を聞き、調べている限りですが、11月下旬に期末テストが終わり、時間に余裕がある12月に修学旅行を行う日本の高校も多くあるようです。
台湾を訪れる日本の修学旅行生の主な目的は、交流先の台北の高校訪問ですが、今回は2015年12月2日に行なわれた台北市立中山女子高級中學(以下、中山女高)と大阪府立住吉高等学校(以下、住吉)の交流の様子を紹介します。
両校のバレーボールの試合
私が学校へ到着したのは12:20ごろですが、既に住吉の2年生の生徒271名と引率の先生方は到着していて、すでに交流活動も始まっていました。
講堂の上にある体育館ではバドミントン、運動場のバレーボールコートではバレーボールの親善試合が行なわれ、昼休み中の生徒たちが周りを囲みました。
バレーボールの試合後、両校の生徒たちの記念撮影が行なわれましたが、その際、住吉の生徒が泣いているのを見かけた呉麗卿(ウー・リーチン)校長が優しく腰に手を回して慰める姿もありました。
講堂の様子
バレーボールとバドミントン終了後は、講堂に全員集合し、本格的な交流活動が始まりました。
交流は両校の代表者によるあいさつから始まりましたが、私が一番印象に残ったのは中山女高の94歳の同窓会名誉理事長のあいさつでした。名誉理事長在学時は日本統治時代で、「台北州立第三高等女学校」と呼ばれていました。その当時のことを日本語で話しましたが、戦時中の学校は空襲の被害で焼け野原になっていて、それを当時の生徒と先生たちの手で修復し、勉学に励み卒業の日を迎えたという話は、戦時中のことを知らない私にとって貴重な話でした。
中山女高合唱部のコーラス
その後は、両校の学校紹介と出し物披露でしたが、住吉側は巫女舞やダンスを披露し、中山女高は弦楽器部の演奏やストリートダンスを披露しました。
その中でも、上の写真の中山女高の合唱部は坂本九の「見上げてごらん夜の星を」をしっかりした発音の日本語と美声で、会場全体を魅了しました。
学校の中にある校史室より(12月5日の学園祭時に撮影)
講堂での交流活動終了後は、教室に移動し、授業聴講などの活動に入り、学校での交流活動は終わりました。
私が到着した時、講堂の舞台では、住吉の生徒と担当の先生が一緒に学校紹介とあいさつのリハーサルを行なっていましたが、そこには「失敗は絶対に許されない!」という気迫がみなぎっていました。
その後の出し物披露でも、住吉側だけでなく中山女高側にも緊張感が漂い、「修学旅行で日本から来る高校生たちがどんな事情があり、どんな様子か」という軽い気持ちで訪れた私自身、大変申し訳ない気持ちになりました。
両校の交流活動は、2015年で9回目になります。
交流活動の様子だけでなく、上の写真の資料展示室にあたる校史室にある住吉側から贈呈された記念品を見て、9年の交流期間で培った両校の関係とその重みを痛感した今回の国際交流でした。
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