オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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 アメリカやヨーロッパの国々は、日本と違って仕事をする時間や会社側からの対応にフレキシブルさ(多様性)があると思われがち。故に余暇の過ごし方も充実していそうだ、と考える日本の方も多いことでしょう。

 しかし、実のところ、これは単なるイメージにすぎないという感じがします。私の住むオランダは、日本の九州と同じほどの面積しかない小国ですから、日本の状況と簡単に比較することは難しいと思います。しかし余暇に関して言えば、日本の方々の方がずっと充実した時間を送っているような感じさえするのです。


仕事,仕事…は世界共通。でも余暇の過ごし方は?

仕事,仕事…は世界共通。でも余暇の過ごし方は?

 これは、教育制度と関わりがあるのです。オランダの中学では、小学校の成績の良し悪しで進学コースが分けられます。つまり満12歳(小学校6年生)で将来がほぼ決定付けられる、ということ。簡単にいえば、小学校の時の成績が良ければ、医者や学者になるためのコースに進める、というわけです。比較的勉強ができ、このコースに乗った子どもたちは(うまくいけば)将来大学に進み、就職もすんなり…といきたいところなのですが、実はこのコースに従って首尾よく希望する職業に就職できたとなると、当然ではありますが、毎日の仕事が待っています。


オランダ人の余暇の過ごし方を示した図。この4つだけ?

オランダ人の余暇の過ごし方を示した図。この4つだけ?

 職種によっては、土曜も日曜もない忙しさ、なのは日本と同様でしょうし、年端のいかない子どもがいれば育児に追われ、まさに自分の時間など皆無となり、多忙を極めます。

 「でも、外国は男女平等が生活の隅々まで浸透しているから、家庭のことも夫と妻で分担し合ってうまくいくのが当然なのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、オランダ統計局の今年のデータによれば、やはり家事は女性側が男性側より6時間ほど長く行っているという分析結果が出されているのです。ということは結局のところ、やはり女性の方に育児や家事の負担が多くなってくる、ということでしょう。


 そんなわけで、余暇の過ごし方、といえど休みなしで多忙にしている点においては、日本もオランダも時間的にはあまり変わりがないように思います。しかし、日本人の方がその点、余暇の過ごし方や、その時間を見つけ出すのがうまいと感じます。というのは、日本人には多趣味な人が多いと思います。自分なりに好きなことを見つけるのがうまい、ということなのでしょうか。


 日本人は(私も含め)、自分たちのことを流行に左右されやすい国民だ、と自嘲気味に言うことがあるでしょう。しかし、流行に左右されようとも、「何か新しいものに飛びついてトライする」という好奇心は、素晴らしいと思います。この点、オランダでは流行自体があまり生まれないため、「何が趣味なのか?」「自分は何が好きなのか?」をしっかり把握している人はあまりいないように感じます。特に、仕事で忙しい人にはそれが顕著です。趣味に没頭するほど時間が取れない、というのが現実なのでしょうが、日本人の方がずっと、余暇の使い方が上手で人生の楽しみ方をよく知っているような気がします。


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