2年連続のTEDの活動 その2
2018.12.13 up
周品均(ジョウ・ピンジュン)氏
当日のゲストスピーカーは5人。最初に登壇した周品均氏は、大学3年時にインターネットで衣料品販売を始め、一時年商20億元(約73億7678万8036円)を上げるまでブランドを成長させた実績を持っている方で、ビジネス雑誌のインタビューにも登場するくらい注目されている企業家です。
周氏は、自身が起こしたブランドが成長する傍らで、学生時代から起業し一心不乱に働いていたことで、同年代の周りの方が普通にしている旅行などの娯楽を10年近くしてこなかったそうです。その時、離婚で自身が情熱を傾けたブランドを失った(前夫に譲渡する形になりました)のがきっかけで、ふとわれに返り、「(自分の人生)これでよかったのだろうか?」と長い間真剣に悩み、答えを見つけていく過程を話していました。
周氏は「女性の目線」と「高校生の目線」で、起業し働くことの意味や、ブランドが成長する過程で自身が犠牲にしてきたものをありのままに語っていたので、「独立心が強い」と言われる北一女の生徒たちにちょうど合っていたように思いました。
張淑征(ジャン・シュージェン)氏
張淑征氏は建築士で、米国カリフォルニア州でも建築士登録をしている方です。
学生時代、1度カナダ中部の大学の医学部に進学しましたが、新学期が始まる1週間前に図書館で建築に関する書籍を手に取り、衝撃を受けたことで転学を決意。しかし、外国人であったことが影響し、申請が通らず、学位の取得に専念、最後ニューヨークの大学の建築科修士課程に進んだエピソードを紹介していました。
ニューヨークでは他の学生が自分よりも長く建築を勉強していることから、遅れをとっていることに悩み、卒業に至るまで心境がどのように変わっていったか、卒業後の経験を中心に話しました。
前出の周氏と張氏に共通しているのは、「独立して働き、社会の中で自分の地位をしっかり確立している女性」であること。感じるものがあったのか、休憩時間には2人のもとにサインと記念写真を求める生徒が集まっていました。
林哲宇(リン・ザーユー)氏
林哲宇氏はもう一人の方とともに、「Play School」という遊びの中から学びを得る、従来とは違う学校を起こし、子どもたちの可能性を広げる教育を推し進めている方です。スピーチ直前の休憩時間には、北一女の生徒たちに積極的に声を掛け、話を聞いている姿を見掛けました。
最初に生徒たちにリタイア後にしたいことを聞き、「台北市長!」といった感じで答えを引き出し、雰囲気をつくってから、自身と教育に携わった経験をを踏まえ「起業とは何か」について話していきました。
印象に残っている言葉としては、教育事業で保護者たちに伝えている「この失敗は後々必ず大きな収穫をもたらす」と、「失敗というのは、成功へ向けた練習である」というもの。順調に進んできた(もしくはそう思っている)生徒たちを啓発するような言葉だったように思います。
楊謝樂(ヤン・シエユエ)氏
楊謝樂氏は、中学教師、大学教授を経て、2008年に科学技術の会社を起こし全世界で38の特許を取得するなど、主に医療方面で大きく貢献する器具の開発、研究を行っています。
高校から大学、大学院と進学し、優秀な成績を収めた学生時代を振り返り、卒業後、兵役を経て変わっていった心境の変化、経験を中心に語っていきました。
また、研究活動を行っている際、就職し、社会人となった同級生が「収入はいくらだ」「この前、いくら稼いだ」といった感じの話をしているのを聞き、負い目を感じたこともあったそうです。
陳芳語(チェン・ファンユー)氏
陳芳語氏は、過去に台北市立建國高級中學(以下、建國中學)の学園祭ダンスパーティに出ていたことがあるので、下記URLで少し紹介しました。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=20151414734
今年12月15日の建國中學の学園祭ダンスパーティのゲストにもなっていますが、TEDではゲストスピーカーとして、自身の生い立ちについて話しました。
陳氏は、最初にデビュー曲の一節を披露し、オーストラリアで育った子どもの時から振り返り、ミュージカルに出演していたこと、オーストラリアのプロサッカーAリーグのチャンピオンシップで国家斉唱を行ったことなどを話していきました。
その後、15歳で家族で台湾へ移住し、音楽活動を本格化させました。
しかし、当初契約をしていた大手の音楽会社から突然契約を打ち切られ、失業状態になり、それに関するネガティブな報道も目立ったことから、精神的に打ちのめされた状態に陥りました。そこから、さまざまな経験を経て立ち直り、現在に至るまでのプロセスを高校生の目線で丁寧に語り、「失敗を恐れるな!」と励ましていました。
台湾に来てから中国語を覚えたため、途中で中国語が出なくなった時と、話していてアツくなった時は英語を交えて話していました。
陳氏は、高校生たちにとって「旬の人」だけあって、終了後はサインと記念撮影を求める生徒たちが殺到。40分近く対応していましたが、嫌な表情を全く見せず、むしろ楽しそうにしていたのが印象的でした。
今年のTEDのテーマは「Navigation」。
高校生に限らず、私にとっても人生の方向を指示してくれた活動でした。
*今年のTEDのinstagram
https://www.instagram.com/tedxyouth_tfg/
*同facebook
https://www.facebook.com/TEDxYouth-TFG-Navigation-190911458195979/
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