フランス

フランス:パリ

別紙 敦子(べっし あつこ)

氏名=別紙敦子
職業=観光業
居住都市=パリ(フランス)とバルセロナ(スペイン)年間1:2の割合で、行き来しています。

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学校の正面の一例。パリ2区にある男子校

学校の正面の一例。パリ2区にある男子校

 フランスは、日本と同様3期に分かれている学校が主流で、3月は2学期から3学期に移る時期です。通知表(成績表)も学期ごとあります。

 日本と違う点は、成績は先生の独断で決められない点です。国の立法議会の性質を持つもので、「コンセイユ・ド・クラス」と呼ばれる各クラスで行われる評議会で決まります。構成員は、学年代表教師(又は教頭)、クラス担任教師、各教科教師、学級委員2人(男女2人が新学期初頭、クラスメートの選挙で選出)、PTA代表2人(新学期の懇談会の際に選出。立候補される方が多い!!!)


3週間ほど前から会議が開かれる日時が学校から個人サイトに表示されます

3週間ほど前から会議が開かれる日時が学校から個人サイトに表示されます

 議会の流れは、生徒一人ずつ評議されます。前方スクリーンに、一人の生徒の写真と各科目のテスト成績やグラフを表示します。各科目すべての先生の意見を聴きます。先生方の評価結果には、不安げ・おしゃべり・優しい・ダイナミック・遅刻多い・授業に参加しない・処世術ある・礼儀正しい・両親に面会必要…など。(※フランスで一番評価が低くなるのは、授業中の無駄話で、いくら試験成績が良くても評価をぐっと下げます)

 その後、PTAと学級委員の意見も聴きます。その生徒に対し発言することがあれば言えますし、クラスメート・PTAからの要望を代表して言う権利もあります。


クラスの平均とその生徒の成績をグラフ化したもので、「蜘蛛の巣」と言われています

クラスの平均とその生徒の成績をグラフ化したもので、「蜘蛛の巣」と言われています

 こうして、全ての議会構成員の意見を聴き、その生徒の総合評価を決めます。通知表に、アドバイス的な先生からの言葉があり、その後に、「称賛」の言葉があれは、全会一致の素晴らしい総合評価を得たことになります。

 「奨励」は、努力を認め、これからに期待しています。

 「懲罰」は、かなり先生方は立腹しているのが分かりますね!?

 6月中旬の3学期末は進路指導議会の役目を果たし、各生徒の進学を決める大切な会議。一人の担任の独断ではなく皆で話し合う。さすが、権力を抑制する仕組みを説いた啓蒙(けいもう)思想家モンテスキューを生んだフランスだ!




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