ピノチェットの独裁政権を忘れない!
2018.09.01 up
ミュージアムの敷地に入らないほどの多くの人たちであふれ返ったイベント
昨日は、サンティアゴ旧市街セントロにある、「ムセオ・デ・ラ・メモリア(MUSEO DE LA MEMORIA)」で野外音楽イベントがあったので行ってきました。
このミュージアムは、1973年に軍事政権のクーデターが起き、その後ピノチェットの独裁政権が続き、前大統領のアジェンデ政権関連者らを次々と拷問、虐殺した悲しい歴史を忘れないために造られた施設です。いまだに行方不明の人も多く、ピノチェット政権が、拷問や虐殺を無かったことにするために遺体を海に捨てたとも言われています。
数日前、現在の右寄りのチリ政府がこのミュージアムに対して「事実を全部見せていない左寄りの政府が造り上げた一方的なミュージアム」と言ったことが引き金になり、チリを代表する文化人やミュージシャンたちが集まり、みんなで声を合わせて「過去の歴史を忘れてはいけない!」と声を上げました。
ピノチェット独裁政権で暗殺されたアジェンデ大統領などの旗が多く見られました
会場は人であふれ返っていて、施設の敷地の中へ入るにもひと苦労という感じでした。お年寄りも多く、おそらく軍事政権時代に行方不明になり、いまだに見つかっていない人たちの家族や友人らが段ボールに行方不明者の写真を貼り、それを持って観衆に訴える姿も見られました。
プラカードや旗を持った人たちで集まり、声を合わせて過去の歴史を忘れてはいけないと言っていました
小さい子から若者、そしてお年寄りまで多くの人であふれ、いまだに多くの人がピノチェットの独裁政権を許せないと思っていると感じました。
一緒にコンサートに行ったチリ人の友人は「右寄りの政府は、この歴史を無かったことにしたいと思っています。しかし、この歴史は決して忘れてはいけないものです!」と言っていました。
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