スペイン

スペイン:バレンシア

大田 朋子(おおたともこ)

職業…ライター、エッセイスト、講演家

居住都市…ブエノスアイレス(アルゼンチン)
→ケント(イギリス)
→バレンシア(スペイン)

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先日は息子が通うバレンシアのプレスクールで「学年末フェスティバル」がありました。幼稚園部(2歳クラス)から高校部(17歳クラス)まで大集合し、学年ごとにダンスを披露。中学生や高校生にもなると男女ペアになりサルサを見事に踊っていて、さすがだなあと感心しちゃいました。

自分が育った環境と勝手が違う海外で子育てをしながら、「これってスペインらしいなあ」と思うことに度々出くわしますが、今回はフェスティバルを例にいくつか挙げてみたいと思います。


幼稚園部から高校部までが一緒にフェスティバルをする良い点は子どもたちが幅広い年齢と交流できることでしょうか…

幼稚園部から高校部までが一緒にフェスティバルをする良い点は子どもたちが幅広い年齢と交流できることでしょうか…

まず驚いたのは、フェスティバルの開始時間は夕方6時半!
2歳児もいることを思えば遅めのスタート?とも思ってしまいますが、6月といえども既に昼間の温度が30度くらいまで上がるバレンシアでは、夕方以降が暑さをしのげる適度な時間帯ということでしょうか…。

フェスティバルでは、2歳と3歳クラスは自分の出番が終わったら子どもを迎えに行き帰宅してよいことになっています。でも、4歳クラスからは最後の高校生クラスが終わるまで観客として参加しないといけないことになっていて、小さい子どもを連れて観賞する私などは、終了までの待ち時間はけっこうキツかったりもします。そして終了は夜8時半~9時。学校の行事の終了時間が夜9時というのは、子どもの寝る時間が遅くなるのも気になるところですが、そこはスペイン、99パーセントの保護者と子どもは平気な模様でした。

ただ翌日は通常時間の朝9時から学校があるので、正直保護者も子どもも疲れがたまってしまいがち。それを「もうすぐ夏休みだから!」の一言で乗り切っていた模様でした(笑)。


衣装も簡単な年もあれば準備が大変な年も…

衣装も簡単な年もあれば準備が大変な年も…

また、フェスティバルの準備のために、当日は通常夕方5時の下校時間が早まって、昼3時には全員下校。ふと思ったのですが、週日の午後3時って、会社で働いている保護者は来られない時間帯ですよね?いったいどうやって工面しているのか気になりますが、祖父母やベビーシッターに応援を頼んだり、その日は仕事を早引きしたよう。スタートの夕方6時半には、母親はもちろん父親も祖父母も家族によっては叔父叔母家族も参加して、さすがファミリーの絆を目に見える形で大切にしたいスペインらしかったです。

もちろん、なかには保護者の仕事の都合がつかず、子どもをフェスティバルに連れて行けないために参加を諦めるケースも。学校のフェスティバルをはじめ、遠足や卒業式などでも、スペインではあらかじめ担任の先生に「参加か不参加か」を意思表示します。つまり「不参加」という選択肢が当の然として各家庭にあります。実際、クラスの一人か2人は不参加。学校イベントというと言を持たず全員が参加することが大前提の日本で育ったわたしにはこれは驚きでした。

最後に、私が覚えている限り自分が通った保育園や小学校では出し物は学年の担任が集まって振付なども用意してくれていましたが、スペインの少なくとも息子の学校では、出し物の振付けや挨拶などは音楽の先生やその旨担当の別の教師がリードを取ります。担任や副担任も練習に付き添い、お手本になって子どもと一緒に踊ってくれますが、振付などを考える作業は分担されているようで、こういうのを見ると日本の先生がいかにオーバーワークかが垣間見られます。




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