オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

前の月へ

2025.1

次の月へ
S M T W T F S
   1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

このような状況でも、オランダ人は自転車によく馴れていて上手に乗りこなす

このような状況でも、オランダ人は自転車によく馴れていて上手に乗りこなす

 オランダは「自転車王国」なる別名を持ち、国民の平均的自転車所有数は1人あたり2台にもなるそうです。主都アムステルダムを訪れた方ならたぶん、自転車の数の多さや、通行人を避けながら路地上を巧みに疾走する自転車のスピードに驚かれた経験をお持ちでしょう。日本の九州とほぼ同じ面積しかない小国のオランダは、都市部のみならず、どこの町村でも路地や道が非常に狭いため、小回りのきく自転車が、最も手頃で快適な交通手段になるのも当然のことと言えそうです。


首都アムステルダムの、自転車置き場の様子

首都アムステルダムの、自転車置き場の様子

 通勤・通学に自転車を毎日利用している人は、総人口の75%にも上るわけもそこにあります。そんな「自転車王国」の王道をいく、最新極上の自転車といえばやはり、電動アシスト付き自転車でしょう。このタイプは、国会議員らを筆頭に、30代の現役ビジネスマンたちから絶大なる人気を誇る極めつけです。PCや書類を運んで坂道を上る場合や、近隣都市へプチ出張というときに威力を発揮し、プライベートでも臨機応変に使い分けることが可能なので非常に重宝がられています。


ルールを守って安全に

ルールを守って安全に

 オランダ人のライフスタイルに欠かせない自転車の存在ですが、ならば誰もが、交通規則をしっかり守り、安全に乗っているのだろう、と思いきや、この国の人びとの乗りっぷりを1度でも目の当たりにしたら、かなり衝撃を受けることになるかもしれません。出勤ラッシュ時、右手に朝食のサンドイッチ、左手にスマホの両手ふさがり(つまり、手放し)で、目抜き通りを大胆にUターン、などという離れ業を、あっさりやってのけてしまう人もいますし、子連れともなればもう、サーカスの曲芸並みのよう。後部座席に子供を3人も乗せ、おまけに大型犬を引き連れ自転車を駆っている女性などを見ていると、器用というべきか、離れ業と言うべきか、危ないと思えないのかな?とこちらが不安になってくるほどです。


最近の流行は、車輪が太い電動式自転車(フェット・バイク)とこちらで呼ばれるもの

最近の流行は、車輪が太い電動式自転車(フェット・バイク)とこちらで呼ばれるもの

 しかし彼らに言わせれば、「慣れれば、誰にでもできる」のだそう。生活の中に、自転車利用があまりにも密着しすぎているため、サーカスまがいの曲乗りも、ごく当たり前に、やりこなせてしまうのかもしれません。(しかし、もちろん警察官に見つかれば、特に大都市内ではやめるよう警告されることもあります)


 自転車の購入費の一部を捻出してくれる自治体や企業の存在、国中どこへ行っても自転車専用道路がきちんと敷かれていることなど、自転車利用を積極的に奨励する環境が、常に整っていることも、自転車を使用しやすくしている要因です。2歳の誕生日を迎えたら自転車に乗る訓練を始め、12歳の小学校卒業時になったら、自転車試験に合格する義務があるオランダ。こうして考えてみると自転車の存在は、ただの乗り物の域を越え、オランダ人たちの「身体の一部」になっているとさえ言えるかもしれません。


レポーター「フリードリヒス カオル」の最近の記事

「オランダ」の他の記事

  • 151 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives