スペイン

スペイン:バレンシア

大田 朋子(おおたともこ)

職業…ライター、エッセイスト、講演家

居住都市…ブエノスアイレス(アルゼンチン)
→ケント(イギリス)
→バレンシア(スペイン)

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スペインではサンタクロースよりも有名なロス・レジェス・マゴス(東方三賢者)

スペインではサンタクロースよりも有名なロス・レジェス・マゴス(東方三賢者)

スペインのクリスマスのお祝いでびっくりしたことがいくつかありますが、そのひとつが、サンタクロース(スペイン語ではパパ・ノエル)よりも「東方三賢者」の存在感の方が圧倒的に強いことです。


東方三賢者というのは、イエスキリストの誕生を祝うために、東方から三人の賢者がベツレヘムへ到着したという福音に由来しています。その三博士が(乳香、没薬、黄金)を、生まれたばかりのイエスに贈り物として捧げたという言い伝えから、スペインでは1月5日にプレゼントを贈る日とされているよう。

というわけで、スペインの子どもたちには、クリスマスプレゼントは、1月5日の夜に東方三賢者が持ってくることになっています。


12月に入ると各家庭のベランダから東方三賢者の人形が吊り下げられているのをよく見かけます

12月に入ると各家庭のベランダから東方三賢者の人形が吊り下げられているのをよく見かけます

とはいえ、最近は諸外国からの影響もあってか、12月24日イブの夜にサンタクロースが出現する家庭も多いようですが...。

余談ながら、12月24日のクリスマスイブにも、1月5日の夜にも東方三賢者からのプレゼントをあげる家庭は、イブにはおもちゃやゲームなど冬休みの時間遊んで楽しめるプレゼントをあげ、冬休みが終わる頃に行われる東方三賢者からの贈り物には、洋服や筆記用具など実用的なもの(どうせ必要なモノ)を贈る傾向が強いようです。


また、サンタクロースが来る夜には靴下を置いて寝ますが、東方三賢者には靴を並べて置いておきます。靴の横にはビスケットや牛乳などのちょっとした食べ物と飲み物を「(東方三賢者さんや動物たちに)長旅お疲れさま」という意味合いを込めて置いておきます。友人の子供は、東方三賢者が乗ってきたラクダのために、水とニンジンを置いていると言っていました。ラクダって人参なんか食べるの、と下世話なわたしなんかは思ってしまいましたが…。


東方三賢者がベランダから吊られることを受けて、スペインではサンタクロースもよくベランダから吊られています。双方、そっとしといてあげたいです。

東方三賢者がベランダから吊られることを受けて、スペインではサンタクロースもよくベランダから吊られています。双方、そっとしといてあげたいです。

そういう訳で、飾り付けでもサンタクロースより、東方の三博士の方がよく見ます。

12月が始まると、各家庭のベランダから東方三賢者の人形が吊り下げられているのをよく見かけます。その影響もあってか、サンタクロースの人形も、普通に飾られずに吊り下げられています。スペインではサンタクロースも東方三賢者も煙突に登るまで、大変そう…


というわけで、スペインでは1月6日までクリスマスモードが続き、当然ながら家庭でも街でもクリスマスデコレーションは1月6日まで飾られています。

年越しもお正月もクリスマスデコレーションを飾ったまま行われるので、ますますお正月気分から遠ざかってしまいますが、郷に入っては郷に従え…、わが家もクリスマスツリーを横目にお正月を迎えます。


みなさまも、よいお年をお迎えください。
今年も一年間ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

ボッティング大田朋子









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