スペイン、幸運のぶどうを食べる伝統はどのように生まれたか?
2016.02.05 up
スペイン語で大晦日はノチェ・ビエハ(Noche Vieja)。12月31日年越しから翌日にかけて、スペイン全国の市町村で、カバ(スペインのスパークリングワイン)で乾杯、幸運をもたらすと言われる「ぶどう」を食べて新しい年が迎えられます。
その「幸運の12粒のブドウ」に関しては、以前触れたことがあります。
(参考:『幸運の 12 粒のブドウ』
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201312562139)
それにしても、何故年越しに12粒のぶどうを食べるようになったのでしょうか?
マドリードのソル広場のカウントダウンはテレビでも生中継。年明け12秒前から始まるカウントダウンの鐘の音に合わせてでるテロップを見ながら1粒ずつぶどうを口に入れていきます。
「幸運の12粒のぶどう」の起源に関しては諸説あるようですが、有力なものは次の2説。
一説目は、19世紀のスペインでは、中間階級の家庭を中心に、大晦日の夕食時に、去る年を閉め来る年をお祝いするためにカバを飲み、ぶどうを食べる習慣がすでにあったそうで、1882年、マドリードで友達グループが、「せっかくだから年越しの鐘の音に合わせてぶどうを食べよう」と今や大晦日の年明けのシンボルとなったプエルタ・デル・ソルに出かけたことが、年越しの鐘に合わせてぶどうを食べる始まりになったというもの。
もう一説の起源は、1909年にアリカンテで起こったぶどうの豊作。大量のぶどうを売り切ってしまいたいぶどう生産者が「幸運のぶどう」として販売を始めたのがきっかけだとか。
どちらにしても、それらが年々洗練されていき、現在では、豊かさのシンボルと扱われるぶどうを鐘の音に合わせて1粒食べるごとに1つ願いごとをするのがスペイン全土の習慣になっています。1人ひとり12個(12カ月分)のブドウを用意し、鐘が1回鳴る毎に一つブドウを食べながらお願いごとをします。
年越しに食べるものが「蕎麦かぶどう」かという違いに加えて、クリスマスは恋人や友達同士で過ごしお正月は家族と過ごすことが一般的な日本とは対照的に、スペインではクリスマスは家族と集まる大切な日である一方、年越しは友達が集まって大勢で盛り上がって過ごすことが一般的です。
レポーター「大田 朋子」の最近の記事
「スペイン」の他の記事
- 2020年4月(1)
- 2018年1月(3)
- 2017年1月(1)
- 2016年12月(1)
- 2016年9月(2)
- 2016年6月(4)
- 2016年5月(2)
- 2016年2月(6)
- 2016年1月(8)
- 2015年12月(2)
- 2015年11月(3)
- 2015年10月(2)
- 2015年9月(2)
- 2015年6月(2)
- 2015年5月(4)
- 2015年3月(3)
- 2015年2月(3)
- 2015年1月(3)
- 2014年12月(2)
- 2014年11月(3)
- 2014年10月(2)
- 2014年5月(1)
- 2014年3月(3)
- 2014年2月(2)
- 2014年1月(6)
- 2013年12月(1)
- 2013年5月(2)
- 2013年4月(2)
- 2013年3月(2)
- 2013年2月(8)
- 2012年11月(3)
- 2012年10月(3)
- 2012年9月(5)
- 2012年6月(3)
- 2012年5月(3)
- 2012年4月(2)
- 2012年3月(10)
- 2012年2月(6)
- 2012年1月(6)
- 2011年12月(8)
- 2011年11月(3)
- 2011年10月(10)
- 2011年9月(4)
- 2011年8月(4)
- 2011年7月(7)
- 2011年6月(5)
- 2011年5月(4)
- 2011年4月(5)
- 2011年3月(9)
- 2011年2月(6)
- 2011年1月(3)
- 2010年12月(3)
- 2010年11月(3)
- 2010年10月(7)
- 2010年9月(8)
- 2010年8月(2)
0 - Comments
Add your comments